ごま油の話(第9話)

ごま油の話(第9話)

前回の続きです。

お金を動機にしていると

 

治験は結局やりませんでしたが、
いまでも戒めのために治験のセンターからのメールは受け取っています。

いろんな病気の新薬研究のために、
いろんな薬の投薬実験が行われています。

寝っ転がってお金を得たいのであれば、
そういう方法もあります。

他に、僕がその前後、
とにかくお金だけ得られればいいやと思ってやっていたのは、
例えば自己アフィリエイト。

自分の作ったアフィリエイト広告から、
クレジットカードを契約したりすると、
広告費をもらえるんです。

そんなこともやってました。

でも、
とにかくお金が欲しいと思って、
お金を動機にして何かをしていても、
結局「もっと金を稼がなくちゃ」という気持ちに襲われたり、
逆に「俺、なにやってるんだろう」
というような虚無感に襲われたりします。

これはどちらも経験済みです。

治験をやめた頃から、
お世話になっていた人からお仕事をもらえるようになってきました。

イヤホンのメーカー、
ウェアラブルカメラの商社、
コーヒーの商社。

みんな僕の方から、
「何かお役に立てることはありませんか?」
と聞いた人たちでした。

時間差はありましたが、
「こういうのがあるんだけど、お願いできないかな?」
という声をいただきました。

「やっと人の役に立てる」
「やっと、人に喜ばれることを仕事にできる」

僕は、
働くことが嬉しくなってきているのを、
感じ始めていました。

 

 

 

目標月収100万円

 

「ただとにかくお金が得られればいいんだ」という思考を捨てた頃から、
お世話になっていた人からお仕事をもらえるようになっていきました。

ちょうど、コーチングの勉強もかなり進んでいて、
イヤホンやカメラやコーヒーのマーケティングの手伝いをしながら、
コーチングを誰かに提供していこう、と思い始めていました。

僕はオンラインでコーチングを学んだ結果、
「コーチになって、やりたいことが見つからない人のために、
 やりたいことを見つけてそれを仕事にしてもらうコーチになりたい」
と思うようになっていました。

なので、そういうプロコーチになるべく、
コーチングスクールに通っていました。

コーチングの資格を取ってからしばらくは、
マーケティングの仕事+副業としてコーチ、
みたいな状態が続いていました。

もちろん就職していたわけじゃないので、
副業としてという言い方は正しくないのですが、
意識的にはそんな感じでした。

僕は自分をコーチングしていきながら、
どんどん行動して、目標を達成していきました。
その頃建てていた目標は、収入の目標でした。

月並みですが、月収を100万にする、という目標でした。

なんだかんだで、やっぱりお金のことは強く考えていました。

実はそこからもう一度僕はちょっとした闇に堕ちます。

 

 

 

100万を達成、会社を設立、でも、、、

 

コーチングを学んだ僕は、
目標を達成できてしまうそのメソッドの魅力に取りつかれました。

僕が学んだコーチングは、
世の中に良くあるただの自己啓発的なコーチングではなくて、
超実践的で、目標達成をさせることを目的としたコーチング。

僕の毎月の目標は必ず達成されていきました。

毎月毎月目標を達成したかった僕は、
一番わかりやすい目標、つまり収入を目標にしていました。

2014年の2月、20万円程度の収入を手にしていた僕は、
毎月10万円ずつ月収を増やす、という目標を立てました。
そして、10月に月収100万円を達成したら、
11月26日に会社を設立する、と決めていました。

3月30万円、4月40万円、5月50万円、
収入を増やすためならなんでもしました。
自分をコーチングし、行動を引き出し、収入を増やしました。

6月60万円、7月70万円、8月80万円、
コーチングの契約をいただきながら、
収入を増やすためにさらに別の仕事もしました。

具体的には、マンションの共有部分(廊下とか階段)の照明を、
LED化する工事をしたりしました。
僕が電球を交換したりしていたんです。
草津に出張に行ったりもしました。

それから、webサイト制作のお仕事を人脈づてでもらったりしました。
仕様書通りのものを作る実力は僕にはないので、
外注するための人脈を作ったりしました。

9月90万円、10月100万円!

僕は2014年10月、収入目標の月収100万円を達成し、
11月26日、合同会社ワイワイマーケティングを設立しました。

売り上げをあげようと思えばいくらでも上げられる、
セルフコーチングの魅力にとりつかれていた僕は、
そこからさらに月収を毎月10%ずつ増やすことに決めました。

気がつけばまた、
お金を追い求めるだけの人になっていました。
売り上げを作るためなら、なんでもやる。

そんな人間になったまま、僕の2015年はスタートしたのでした。

 

 

 

中野さん、セクシーじゃないよ

 

もう、いくらでも稼げるんじゃないかと思い、
毎月の収入を10万ずつ増やすだけじゃ飽き足らず、
10%ずつ増やすことに決めました。

11月110万
12月121万

2015年
1月133万
2月146万
3月161万

順調に収入を10%ずつ増やしていきました。

増やしていったのですが、
なんだか、あんまり楽しくない自分がいることに気づきました。

「なんか、健康食品売ってた時とあんまり変わらないな」
「金金金金って、結局俺ってそういう人間なのかな」

「でも、やっぱりもっと稼がなきゃ!」
「なんでかわからないけど、もっと稼がなきゃ!」
「誰だかわならないけど、誰かを見返さなきゃ!」

そんな感じでした。

今思うと、ほんと、つまんないやつだなーって思います。

この頃でした、
なぜか僕はコーチから呼び出されました。

そして、こう言われたんです。

「もうさー、中野さんが稼げるのはわかったからさー、やりたいことやったら?」

「今の中野さんはさー、なんかセクシーじゃないよー」

「そんなことやりたかったんだっけー?」

「誰の役に立ちたいんだっけ?誰に喜んで欲しいんだっけ?」

あれ、

あれあれあれあれ、

僕、なんかそんな大事なこと、忘れちゃってたの?

そんな感じでした。

僕は改めて、
自分のコンセプトを明確にすることから始めました。

売り上げを追いかけるのはやめました。

でも、そうなってからの方が実際には売り上げが上がってるんですよね。

当たり前ですよね。

「お金は喜んでくれた人が払ってくれるんだから!」

 

(続く)

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